旅行EDI解説書 付属資料編 (旅行EDI研究会 平成12年11月)
 

はじめに

コンピュータシステムを介した電子的なデータ交換(Electronic Data Exchange -- EDI)による電子商取引が、多くの先進的な企業において実現されてきた。一方、多くの企業が電子商取引に参加し、メリットを受けるためには、データ交換の標準化が急務になり、また商取引の国際化が進んでいることから、国連において行政、商業、運輸のための電子データ交換国連規則(UN/EDIFACT -- United Nations rules for Electronic Data Interchange for Administration, Commerce and Transport )の策定が行なわれてきた。旅行関連業界(TT&L -- Travel, Tourism and Leisure)用としても国連の下部組織であるEWGEDIFACT Working Group)のD10部会において、多くのメッセージが策定されている。本資料は、20006月現在で国連標準として登録された、13インターラクティブメッセージ(RESREQRESRSPAVLREQAVLRSPTIQREQTIQRSPPASREQPASRSPSKDUPDTUPREQTUPRSPTSDUPDSKDREQ)、2バッチメッセージ(STLRPTAPERAK)を日本語に翻訳したものである。更に、RESREQ/RESRSPおよびAVLREQ/AVLRSPのインプリメンテーションガイドも日本語に翻訳した。

国連においては、先進的な大企業だけではなく、中小企業も含めた電子データ交換を実現するために、従来のUN/EDIFACTのコア部分を抽出したシンプルEDIの策定、およびインターネットの使用を前提にしたXML/EDIの検討などが進められている。これらの新しいEDI方式を検討する場合においても、従来のUN/EDIFACTメッセージはその基礎となるものと考えられる。我が国の旅行関連業界において、今後UN/EDIFACTを推進していく上で、また新しいEDIの方式を検討していく上で、本資料が有効に活用されることを期待する。

                   旅行EDI研究会 座長
                   成蹊大学工学部経営工学科 教授
                 飯田 善久